李白「夜 洞庭に汎び裴侍御を尋ねて清酌す(よる どうていにうかびはいじぎょをたづねてせいしゃくす;夜汎洞庭尋裴侍御清酌)」(抄) (青木正兒)

曲盡きて酒も亦傾く
北牕に酔うて泥の如し。
人生且く行樂せん
何ぞ必ずしも組と珪と。


きょくつきてさけもまたかたむく
ほくさうにゑうてどろのごとし。
じんせいしばらくかうらくせん
なんぞかならずしもそとけいと。


曲盡酒亦傾
北牕酔如泥
人生且行樂
何必組與珪


曲が終って酒も出されて飮み、北の窓べに酔うて泥の如し。人生はともかく行樂が第一だ、何ぞ必ずしも榮達を求めようか。