ロマン・ロラン『ジャン・クリストフ』(豊島与志雄 訳)

クリストフは倒れかかりながらも、ついに向こう岸に着く。そして彼は小児に言う。
 「さあ着いたぞ! お前は実に重かった。子供よ、いったいお前は何者だ?」
 すると小児は言う。
 「私は生まれかかってる一日です。」

   ※太字は出典では傍点