王維「元二の安西に使するを送る(げんじのあんせいにつかひするをおくる;送元二使安西)」(全) (小林太市郎、補 原田憲雄)

渭城の朝雨 輕塵を裛す
客舎青青 柳色新たなり
君に勸む 更に盡せ 一杯の酒
西 陽關を出づれば 故人無からん


ゐじゃうのてうう けいぢんをうるおす
かくしゃせいせい りうしょくあらたなり
きみにすすむ さらにつくせ いっぱいのさけ
にし やうかんをいづれば こじんなからん


渭城朝雨裛輕塵
客舎青青柳色新
勸君更盡一杯酒
西出陽關無故人


渭城の朝の雨は 埃をしずめ
旅館の前の柳は青青とあざやかだ
さあ君 もう一杯ほしたまえ
西方のその陽関(ようかん)を出たらもう友人はいないのだから