2008-01-20から1日間の記事一覧

「エミリー」(マイケル・ビダード ぶん/バーバラ・クーニー え/掛川恭子(やすこ) やく)

・「詩ってなあに?」わたしがききました。 パパは、しおれたはなびらをてのひらにのせました。 「ママがピアノをひいているのをきいていてごらん。おなじ曲を、なんどもなんども練習しているうちに、あるとき、ふしぎなことがおこって、その曲がいきものの…

ヨシフ・ブロツキー

「ジョン・ダンにささげる悲歌」(抄)(川村二郎 訳) ・だが聞くがよい! きこえてはこないか かしこ 冷たい 闇の中で だれかが泣いているのが 不安げにささやいているのが ・どの水車にこの水をそそごうとも この世に生みだされるのは いつも同じパン わ…

ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』(高本研一 訳)

今日ぼくは、すべてのものがぼくたちを見ていて、なにものも調べられないままではいない、そして壁紙ですら人間よりも良い記憶力の持ち主であるということを知っている。すべてを見ているのは愛する神などではない! 台所の椅子、アイロン、半分たまった灰皿…