2008-05-09から1日間の記事一覧

今西祐行「一つの花」

「この子は、一生、みんなちょうだい。山ほどちょうだいといって、りょう手をだすことを、しらずにすごすかもしれないね。一つだけのいも、一つだけのにぎりめし、一つだけのかぼちゃのにつけ……。みんな、一つだけ。一つだけのよろこびさ。いや、よろこびな…

ドストエフスキー『罪と罰』(工藤精一郎 訳)

人間がもっともおそれているのは何だろう? 彼らがもっともおそれているのは、新しい一歩、新しい自分の言葉だ。だからおれはしゃべるだけで、何もしないのだ。いや、もしかしたら、何もしないから、しゃべってばかりいるのかもしれぬ。

駱賓王(らくひんわう)「帝京篇(ていけいへん)」(抄) (齋藤晌)

相顧るに百齡皆待つ有り。 居然として萬化咸く應に改まるべし。 あひかへりみるにひゃくれいみなまつあり。 きょぜんとしてばんくゎことごとくまさにあらたまるべし。 相顧百齡皆有待 居然萬化咸應改 よく考えてみると、人生百歳といっても百歳になるものは…