2008-07-15から1日間の記事一覧

「小弁(せうはん)」(「『詩經』 小雅 節南山之什(せつなんざんのじふ)」より)(抄) (高田眞治)

弁たる彼の鸒斯 歸り飛んで提提たり 民 穀からざる莫し 我 獨り于に罹ふ 何ぞ天に辜せらるる 我が罪伊れ何ぞ 心の憂ふる 云に之を如何せん はんたるかのよし かへりとんでししたり たみ よからざるなし われ ひとりここにうれふ なんぞてんにつみせらるる わ…

屈原「九章 渉江(せふかう)」(『楚辭』より)(抄) (藤野岩友)

陰陽は位を易え、 時は當らず。 信を懷いて侘傺し、 忽として吾將に行らんとす。 いんやうはくらゐをかえ、 ときはあたらず。 しんをいだいてたていし、 こつとしてわれまさにさらんとす。 陰陽易位 時不當兮 懷信侘傺 忽乎吾將行兮 陰と陽とは位置を変え、…

「盥盤の銘(かんばんのめい;盥盤銘)」(「『古詩源』 古逸」より)(抄) (内田泉之助)

其の人に溺れんよりは、寧ろ淵に溺れよ。 淵に溺るるは、猶ほ游ぐべきも、 人に溺るるは、救ふべからざるなり。 そのひとにおぼれんよりは、むしろふちにおぼれよ。 ふちにおぼるるは、なほおよぐべきも、 ひとにおぼるるは、すくふべからざるなり。 與其溺…