屈原「九章 渉江(せふかう)」(『楚辭』より)(抄) (藤野岩友)
陰陽は位を易え、
時は當らず。
信を懷いて侘傺し、
忽として吾將に行らんとす。
いんやうはくらゐをかえ、
ときはあたらず。
しんをいだいてたていし、
こつとしてわれまさにさらんとす。
陰陽易位
時不當兮
懷信侘傺
忽乎吾將行兮
陰と陽とは位置を変え、時世は正しくない。忠信を懐いてしょんぼりとたたずんでいるうち、ふと、わたくしは遠く去ろうと思った。
陰陽は位を易え、
時は當らず。
信を懷いて侘傺し、
忽として吾將に行らんとす。
いんやうはくらゐをかえ、
ときはあたらず。
しんをいだいてたていし、
こつとしてわれまさにさらんとす。
陰陽易位
時不當兮
懷信侘傺
忽乎吾將行兮
陰と陽とは位置を変え、時世は正しくない。忠信を懐いてしょんぼりとたたずんでいるうち、ふと、わたくしは遠く去ろうと思った。