「盥盤の銘(かんばんのめい;盥盤銘)」(「『古詩源』 古逸」より)(抄) (内田泉之助)
其の人に溺れんよりは、寧ろ淵に溺れよ。
淵に溺るるは、猶ほ游ぐべきも、
人に溺るるは、救ふべからざるなり。
そのひとにおぼれんよりは、むしろふちにおぼれよ。
ふちにおぼるるは、なほおよぐべきも、
ひとにおぼるるは、すくふべからざるなり。
與其溺于人也 寧溺于淵
溺于淵 猶可游也
溺于人 不可救也
人におぼれるよりも淵におぼれるのがまだよい。淵におぼれては泳いで助かることもできるが、人におぼれたのは助ける途(て)がない。