2011-03-26から1日間の記事一覧

三木成夫『胎児の世界』

わたしたちの祖先は、遠い古代のむかしから「コ・コ・ロ」の音声を日常のことばとして蜿蜒とつかいつづけてきたのであろう。それが、漢字の渡来とともに、心臓を象る「心」の文字に当てられる。この音形象から視形象への翻訳は、かれらが「ココロ」と「心臓…

三木成夫『胎児の世界』

塩。これこそ〝海の精〟であり、わたしたち地球に棲む生物のいのちの最後の綱を象るものではないか。いつの日にか、宇宙生物たちが一堂に会するとして地球生物の旗印を求めるとなれば、もはやこれ以外にはありえないといえるほどのものではないか。地球を代…

三木成夫『胎児の世界』

マ行の音「マ・ミ・ム・メ・モ」は、一般に「唇音 labial」とよばれる。唇なしには出てこないからだ。したがってこれは、哺乳動物の象徴音ということにもなる。ネコの「ミャー」、ヒツジの「メエー」、ウシの「モォー」とともに、人間の赤ん坊の原始の音声が…