2011-06-19から1日間の記事一覧

スーザン・ソンタグ『反解釈』(高橋康也、出淵博、由良君美、海老根宏、河村錠一郎、喜志哲雄 訳)

作品と経験の確かな実在感を薄めてしまってはならない。批評の機能は、作品がいかにしてそのものであるかを、いや作品がまさにそのものであることを、明らかにすることであって、作品が何を意味しているかを示すことではない。 ※太字は出典では傍点

スーザン・ソンタグ『反解釈』(高橋康也、出淵博、由良君美、海老根宏、河村錠一郎、喜志哲雄 訳)

現代における解釈は、つきつめてみると、たいていの場合、芸術作品をあるがままに放っておきたがらない俗物根性にすぎないことがわかる。本物の芸術はわれわれの神経を不安にする力をもっている。だから、芸術作品をその内容に切りつめた上で、それを解釈す…

スーザン・ソンタグ『反解釈』(高橋康也、出淵博、由良君美、海老根宏、河村錠一郎、喜志哲雄 訳)

世界そのもの、われわれの世界が、すでに充分すぎるくらい萎縮して、貧困化しているのだ。それをさらに複製した代物などは、われわれはいっさいご免こうむらなければならぬ。そして再びわれわれのもっているものをもっと直接的に経験するようにならなければ…

スーザン・ソンタグ『反解釈』(高橋康也、出淵博、由良君美、海老根宏、河村錠一郎、喜志哲雄 訳)

内容を極度に重く見る結果何が生じるかといえば、それは解釈という試み――絶えることのない、そして決して成就することのないあの企図である。これを逆に言っても同じである。すなわち、芸術作品を解釈しようとしてこれに近づく習癖があるからこそ、作品の内…