2011-08-25から1日間の記事一覧

ルソー『告白』(桑原武夫 訳)

わたしが愛する無為は、なにもせずに腕をこまねき、じっと動かないばかりか、なにも考えないでいるのらくら者の無為ではない。それは、なにかするというのではないが、たえずからだを動かしている子供の無為であり、手をやすめて無駄ばなしをしている老人の…

ルソー『告白』(桑原武夫 訳)

恋は、それをめざめさせた当のひとに知られてしまうと、はるかに耐えやすくなるものだ。

ルソー『告白』(桑原武夫 訳)

ものを考える人といっしょに暮らすのがいいと思われるのは、とくに淋しく暮らしているときである。

ルソー『告白』(桑原武夫 訳)

誰でも気づいていることだが、たいていの人間は一生のうちにしばしば自分とは似ても似つかぬものとなり、まるでちがった人間に変身したようにみえる。

ルソー『告白』(桑原武夫 訳)

かりそめにも学問がほんとうにすきな人であれば、それと取り組んでまず感じるのは、多くの学問がたがいにひきつけあい、助けあい、照らしあい、そして一つの学問は他の学問なしではすまされぬ、という相互の関連性である。もちろん、人間の精神はあらゆる学…

ルソー『告白』(桑原武夫 訳)

いよいよ、もう話ができなくなり、臨終の苦しみがはじまってきた時に、夫人は一つ大きな放屁をした。「あ」と、ねがえりをしながらいった。「おならをする女はまだ死んじゃいない。」これがこのひとのいった最後の言葉であった。

ルソー『告白』(桑原武夫 訳)

子供に悪への第一歩をふみ出させるものは、ほとんどいつも悪く導かれた善良な感情である。

ルソー『告白』(桑原武夫 訳)

自分がいちばんよく知っていることを皆が話していても、口をひらく勇気がない。