2013-01-15から1日間の記事一覧

〔俗諺〕

病の来たるは山の倒るる如し、病の去るは糸を抽(ひ)くが如し。 病気にかかるのは急で、山が倒れるような勢いだが、病気のなおるのは細い糸を抽くように、少しずつなおっていくものだ。多くは病人をゆっくり治療するように慰める時や、人の病気の回復が遅いこ…

〔俗諺〕

食後の散歩は薬屋いらず。 食後に百歩も歩けば、薬屋に行く必要がなくなる。食後に適度の散歩をすれば、とても健康によく、薬を飲む必要もなくなるというたとえ。特に老人や病弱な人を食後の散歩に誘う時に用いられることば。

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(原卓也 訳)

だが、事実フョードルは一生を通じて、演技するのが、それも突然なにか意外な役割を、しかも肝心なことは、たとえば今の場合のようにみすみす自分の損になるとわかっているときでさえ、何の必要もないのに演技してみせるのが好きな男であった。もっとも、こ…

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(原卓也 訳)

しかし、変人ぶりや奇行は、世の注目をひく資格を与えるというより、むしろ損うものである。特に、だれもが個々の現象を総合して、全体の混乱の中にせめて何らかの普遍的な意味を見いだそうと志しているような時代にはなおさらのことだ。奇人とはたいてい個…