2015-06-22から1日間の記事一覧

ゴンブローヴィッチ『フェルディドゥルケ』(米川和夫 訳)

「聞いたか?」ミェントゥスが言った。「おれたちゃ純潔だとさ! 純潔だと、こんちきしょう。あほう、くそくらえ! あいつはおれたちが純潔だと思いこんでるんだ。無邪気な天使だとみとめてるんだ。あいも変わらず純潔で無邪気だとよ、このおれたちが! 天真…

ゴンブローヴィッチ『フェルディドゥルケ』(米川和夫 訳)

学園にとじこめられ、実人生からきり離されているこの犬っころのような小僧どもが罪に汚れていないというのは、まったくの話、本当だったからだ。ソウ、かれらは邪気に満ちていながらも、無邪気だったのだ! 無邪気ではありたくないという欲求のうちで邪気が…

ゴンブローヴィッチ『フェルディドゥルケ』(米川和夫 訳)

諸君は、だれかの内部で諸君が縮小してゆくというこんな異常事を体験したことがあるだろうか?

ゴンブローヴィッチ『フェルディドゥルケ』(米川和夫 訳)

出ていけ! 出ていってくれ! イヤ、こんなのがおれであるものか! こんななにやら行き当たりばったりの、よそよそしい、外からひっかぶせられたお仕着せみたいなものが。外部と内部の世界の妥協みたいなものが。こんなもの、おれの体であってたまるか! 分…

ゴンブローヴィッチ『フェルディドゥルケ』(米川和夫 訳)

どうも行き当たりばったりすぎて、必然性がない。なぜこうであって、ああではないのか?