2015-07-22から1日間の記事一覧
同じ問いは自死をめぐっても立ってくる。 数年前だったか、新聞紙上で、大宅映子さんのこんな行文にふれた。 「死ぬとわかっていて、なぜ人間は生きてゆけるのか」、そういう根源的な問いに答えを出していくのが文学部というところだという、ある大学での講…
家庭、そこでは社会というものをかたちづくるひととひととの最後の絆としての〈親密性〉とか〈信頼〉をからだで覚える。家庭という場所、そこでひとは無条件で他人の世話を享ける。言うことを聞いたからとか、おりこうさんにしたからとかいった理由や条件な…
わたしがここにいる。物は物としてそこにある。わたしの眼の前に物があるということのほかに、そこには関係も何もない。ありふれた光景だといえば、たしかにありふれている。 だが、ここで、関係がないというかたちでわたしと物との関係があるということじた…