2015-07-27から1日間の記事一覧

黒崎政男『カント『純粋理性批判』入門』

『純粋理性批判』によれば、真理は最初から誤謬や仮象と峻別されてア・プリオリに与えられているようなものではなく、実験や経験の検証を重ねる運動のうちからえられてくるものである。このような真理のダイナミックな性格は、感性と悟性とをともに人間認識…

黒崎政男『カント『純粋理性批判』入門』

つまり、時間・空間という直観も、カテゴリーという概念(例えば、因果関係)もすべては、〈人間〉の認識に特有なものである。つまり、時空も因果関係も、人間の認識の都合なのであって、世界そのものの成立にそれらが関わっているのではなく、人間認識の成…

黒崎政男『カント『純粋理性批判』入門』

カントの問いも、人間の都合で存在しているカテゴリーが、なぜ(それとは無関係に存在しているように思われる)世界を説明認識する場合に、きちんと役に立つのだろうか? というものである。 そして、カントの答えは、まさに、世界(カントの場合は〈現象〉…