クロード・シモン『アカシア』(平岡篤頼 訳)

したがって彼がまともに自問することができるすべてと言えば、せいぜい最初のゼロの右側の小数点のあとにどれだけゼロを並べてからどんな少数の数字、この二十六年のあいだに彼にとって生起したことに掛けるのに(つまり、割るのに、その本来のサイズにもどすのに)ふさわしい少数の数字をかきはじめるかということぐらいで