福田和也『岐路に立つ君へ 価値ある人生のために』

 不本意に生きることのつまらなさ、味気なさ、辛さを知ったというのは、とても幸せなことだった。
 それを知るとね、自分の本筋のために、あらゆる努力や投資をすることが、まったく平気になる。
 それはね、どんな苦労を伴っていても、とてもとても楽しい、幸福なことなんだ。
 それを、君にも分かってほしいと思う。というより、その感覚を把んでほしい。
 でもそれは、口で云ったり、文章を読んでも分からないものなんだね。
 やはり、身をもって味わわないとね。
 だから、一度就職してみることは、必要だろう。