2015-09-27から1日間の記事一覧

福田和也『岐路に立つ君へ 価値ある人生のために』

期待というのは、もっともなこともあるだろうけれど、どっちにしたって、程度の差こそあれ独りよがりなものだ。 相手には、相手の都合があり、相手の思惑があるということを忘れている。 そして、自分がこんなに望んでいるのに、相手は望んでいるようにして…

福田和也『岐路に立つ君へ 価値ある人生のために』

誰にでも、相応の努力をする人間には、機会というのはやってくるものだ。 大事なのは、その機会が来た時に、準備ができていること。 準備ができていなければ、折角機会が来ても、乗り損ねてしまう、取り逃がしてしまうことになる。 そして現実には、ほとんど…

福田和也『岐路に立つ君へ 価値ある人生のために』

「礼儀正しい」ということは、つまり「油断をしない」ということなんだね。 対面している相手が、一体どんな相手なのか、何を考えているのか、まったく分からない、自分にいかなる敵意や思惑をもっているのか分からないという認識、油断しないという態度が、…

福田和也『岐路に立つ君へ 価値ある人生のために』

このように書いていくと、いずれにしろ、「善意」などというものは、会社組織にはないのか、というような気分になるかもしれない。 そう、ないんだね。 でもそれは会社だけじゃない。世間というのはそういうものだ。純粋な善意だの好意だのというものはあり…

福田和也『岐路に立つ君へ 価値ある人生のために』

君も、しばらくすると、この世界が、どうでもよい言葉ででき上がっていることを知ることになるだろう。そして、自分でも朝から晩まで、そういう言葉を口にすることになるだろう。 たとえば、営業なり、連絡なりで客先に行く。 相手が、君に関心をもっていろ…

福田和也『岐路に立つ君へ 価値ある人生のために』

オレは、加工最適の素材でも何でもない、という気持ちは分かるし、そういう気慨をもっていなければ何もなしとげられない、と僕も思う。 だけれども、にもかかわらず、僕たちは、「世間」の都合と「自分」の都合を角(つの)つき合わせて生きていかなければなら…

福田和也『岐路に立つ君へ 価値ある人生のために』

でも、世間というのはそういうものでね、才能なんていうものには、一円も金を払わない。それが「かたち」になるまでには、一円の値打ちも認めない。それが世間というものだから仕方がないよ。 だから、逆に云えば、君がそういう才能の持ち主だと思うのならば…

福田和也『岐路に立つ君へ 価値ある人生のために』

不本意に生きることのつまらなさ、味気なさ、辛さを知ったというのは、とても幸せなことだった。 それを知るとね、自分の本筋のために、あらゆる努力や投資をすることが、まったく平気になる。 それはね、どんな苦労を伴っていても、とてもとても楽しい、幸…

福田和也『岐路に立つ君へ 価値ある人生のために』

答えがないこと。 それを、しんどいこと、救い難いことだと考える人が多いみたいだね。 しかしまた、答えがないということこそが、生き甲斐の核心だとも考えられる。 つまり、一人一人、全然別の存在である君や僕が、あるいはさまざまな人々が、自分の人生を…

福田和也『岐路に立つ君へ 価値ある人生のために』

私の経験上、大人の男にたいして、他人がしてやれることは、きわめて限られている。それはおそらく三つしかない。 つまりお金を貸すこと、あるいは与えること(もしくは融資の保証人になること)。 人を紹介すること、つまりは「コネ」をつけてやること。 そ…

福田和也『岐路に立つ君へ 価値ある人生のために』

しかし、それ以上に、死んだ人間の、死者の視線とともに生きることぐらい大事なことはないんだ。 どんな時にも、彼は君を見ている。 その視線は、君にみっともないこと、品のないことをしないように強いるだけではない。 その視線を感じることで、君は、人生…