斎藤環『OK? ひきこもりOK!』(「対談 春日武彦 ひきこもり系の精神分析」)

斎藤――一般に男は、かたちにこだわるというか、平たく言うと完全主義なんでしょうけれども、最初に窓枠、つまり観念のモデルをきっちりつくりこんでおかないと動けないところがある。それでとにかくスタートが遅れに遅れて、そのうち遅れることが自己目的化してしまって、えんえんとひきこもったままになる。同様に、スランプなんてのも男だけの生理現象ではないか。その点、女の敷居の低さというのは、本当に羨ましいですね。観念から創造の方へ、あっさりと移行できてしまう。