ゴンブローヴィッチ『フェルディドゥルケ』(米川和夫 訳)

まったくもって、精神世界では絶えまない力ずくの凌辱が行なわれている。われわれは一人で生きているのではない。われわれは他人の機能でしかありはしない。どんなにふんばっても、われわれは他人が見ているようなそういうものとして、存在するほかないわけだ。