2015-05-22 宮本輝「螢川」 孫引き引用 銀蔵爺さんの引く荷車が、雪見橋を渡って八人町への道に消えていった。/雪は朝方やみ、確かに純白の光彩が街全体に敷きつめられた筈なのに、富山の街は、鈍い燻銀(いぶしぎん)の光にくるまれて暗く煙っている。