ソロー『森の生活』(「孤独」)(飯田実 訳)

孤独ほどつきあいやすい友達には出会ったためしがない。われわれは自分の部屋にひき籠っているときよりも、そとでひとに立ちまじっているときのほうが、たいていはずっと孤独である。考えごとをしたり仕事をしたりするとき、ひとはどこにいようといつでもひとりである。孤独は、ある人間とその同胞とをへだてる距離などによっては測れない。