蓮實重彦+武満徹『シネマの快楽』

武満 それは必ずしも観衆だけではなくて、素晴らしい監督というのはつねに視る監督ですね。いつもぼくは言葉が整理されないままに言ってしまうんだけれど、撮る監督はいるけれど、視る監督はほんとに少ないと思うんですね。だから、撮る監督でもぼくらはそれなりに楽しんで、それを観ることはできる。

   ※斜体は出典では傍点