津島佑子『快楽の本棚』

言葉をそれだけ、私たちは必要としている存在として生きてしまっている。それが幸せなことか、不幸なことか、少なくとも、言葉からまだ自由だった子ども時代に、あるいは、動物、植物に、私たちがつねに深いなぐさめを感じるのは、そこに理由があるにちがいない。