「古諺古語(こげんこご)」(「『古詩源』 古逸」より)(抄) (内田泉之助)

將に飛ばんとする者は翼伏し、
將に奮はんとする者は足跼む。
將に噬まんとする者は爪縮み、
將に文らんとする者は且く樸なり。


まさにとばんとするものはよくふくし、
まさにふるはんとするものはあしかがむ。
まさにかまんとするものはつめちぢみ、
まさにかざらんとするものはしばらくぼくなり。


將飛者翼伏
將奮者足跼
將噬者爪縮
將文者且樸


これから飛ぼうとするものは、その羽翼をたれ伏せている。これから奮起しようとするものは、その足をかがめている。今にかみつこうとするものはその爪を縮めている。やがて飾ろうとするものはしばらくは質樸のままにしている。