杜甫「古跡を詠懷す 五首(こせきをえいくゎいす ごしゅ;詠懷古跡 五首)」(抄) (目加田誠)

千秋を悵望して一たび涙を灑ぎ
蕭條として代を異にし時を同じうせず


せんしうをちゃうばうしてひとたびなみだをそそぎ
せうでうとしてよをことにしときをおなじうせず


悵望千秋一灑涙
蕭條異代不同時


私は千年昔を思いふかく眺めて覚えず涙を流し、その人と代(よ)を異にし、時を同じうして
生まれあわさなかったことを淋しくおもう。