李白「山中に幽人と對酌す(さんちゅうにいうじんとたいしゃくす;山中與幽人對酌)」(全) (青木正兒)

兩人對酌 山花開く
一盃一盃 復た一盃。
我醉うて眠らんと欲す卿且く去れ
明朝 意有らば琴を抱いて來れ。


りゃうにんたいしゃく さんくゎひらく
いっぱいいっぱい またいっぱい。
われゑうてねむらんとほっすけいしばらくされ
みゃうてう いあらばことをいだいてきたれ。


兩人對酌山花開
一盃一盃復一盃
我醉欲眠卿且去
明朝有意抱琴來


 二人向ひあって酌む側に山花が咲いてゐる。一盃一盃また一盃と重ねるうち、僕は醉うて眠くなったから君はまあ歸りたまへ。明朝氣が向いたら琴を抱いて來たまへ。