2011-12-28から1日間の記事一覧

トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(松本礼二 訳)

私は予言するが、今後民主的な諸大国の中に台頭する好戦的君主はすべて、軍隊を用いて勝利を得ることより、勝利の後に軍隊を平和に慣れさせることの方がはるかに難しいことに気づくであろう。民主的な人民が為すのに常に大きな困難を覚えることが二つある。…

トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(松本礼二 訳)

なぜなら、民主的な世紀にあって、すべてのものが動く中で何よりも動きやすいものは人の心だからである。

トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(松本礼二 訳)

一国の人民がどんなに努力しても、その中で境遇を完全に平等にするには至らぬであろう。そして、仮に不幸にもこの絶対的で完全な平等に達したとしても、なお知力の不平等は残り、これは直接神に由来するだけに、つねに法の規制の外に出るだろう。 一国の人民…

トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(松本礼二 訳)

演劇ほど時の社会状態と密接で多くの絆で繋がっている文学の分野は他にない。

トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(松本礼二 訳)

民主的な国民にあっては、文筆に秀でようという野心をもつ者はすべて、古代の著作を時には養分とすべきである。それは良い薬である。 古代人の文学作品には非の打ち所がないと私が見ているわけではない。私はただ、それらには特別の長所があって、それがわれ…

トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(松本礼二 訳)

平等は世界にとてもよいことをもたらすが、後に示すように、人々に極めて危険な本能を吹き込むことは認識しなければならない。それは人間を互いに孤立させ、誰もが自分のことしか考えないようにさせる。 それはまた人々の心を度外れなほど物質的享楽に向かわ…

トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(松本礼二 訳)

アメリカはだからデカルトの教えを人が学ぶこと最も少なく、これに従うことは最も多い国の一つである。

トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(松本礼二 訳)

人間は敵から真実を受け取ることは決してなく、味方が真実を告げることも滅多にない。

トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(松本礼二 訳)

人間の制度に大きな変化が起こるときには、必ずその変化の原因の一つに相続法が見出される。

トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(松本礼二 訳)

白状するが、私は出版の自由に対して、その本性上このうえなく良きものに対して人がいだく、全幅でためらいなき愛を覚えるものではない。私がそれを愛するのは、それが生む益のためというよりは、それが妨げる禍(わざわい)を考えるからである。

トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(松本礼二 訳)

私はアメリカの中にアメリカを超えるものを見たことを認める。そこにデモクラシーそれ自体の姿、その傾向と性質、その偏見と情熱の形態を求めたのである。私はデモクラシーを知りたかった。少なくともそれに何を期待すべきか、何を恐れるべきかを知るために。

トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(松本礼二 訳)

権力の行使や服従の習性が人を堕落させるのではない。正当と認められない力が揮(ふる)われ、不当に地位を得た抑圧的な権力に服従するとき、はじめて頽廃が生ずる。