2015-05-28から1日間の記事一覧

『孟子』(告子下)

宋牼(そうかう)將に楚に之かんとす。孟子石丘(せききう)に遇ふ。曰はく、先生將に何(いづ)くに之かんとするやと。曰はく、吾聞く、秦楚(しんそ)兵を構ふと。我將に楚王に見(まみ)え、説いて之れを罷めんとす。楚王悦ばざれば、我將に秦王に見え、説いて之れ…

『落窪物語』(巻一)

暗うなるままに、雨いとあやにくに、頭(かしら)さし出づべくもあらず。少将、帯刀(たちはき)に語らひたまふ。「くちをしう。かしこにはえ行くまじかめり。この雨よ」とのたまへば、「ほどなく、いとほしくぞはべらむかし。さはべれど、あやにくなる雨は、い…

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

わたしの望みは出発することであり、それもできるだけ早く、そしてもう誰の話もきかないことだった。重要なのは自分がまちがってるか正しいか知ることではない。そんなのはまったくどうだっていいことだ…… 必要なのは、世の中の連中に自分にかまう気をなくさ…

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

「人生ってことはおまえの年頃にとっちゃ、重大なことだよ……」

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

死だなんて! 畜生…… 自分の死!……

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

「ああ、きみ! それだけのことかね? もしわたしがきみみたいな胃を持ってたら! いいかね! そんなもの糞食らえだ!…… もちろんだ!…… 近親や縁故だなんて!…… 息子たちや従兄弟だなんて! 女房だなんて! 娘たちだなんて! 十八人の親父だなんて! ぼくが…

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

わたしは仕事が大きらいだ。なんで選り好みをする?…… わたしは讃歌なんて歌やしない…… できることなら、やつらに糞をひっかけてやりたいくらいだ…… 雇われて働くってのはそういうことだ……

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

「おいおい、ちがうってば、坊や! 安心をし! そんなのはどうってことはない! 通してあげるよ! きみは人生をはじめるんだ! そんなにそうしたいんならね!」