2015-05-31から1日間の記事一覧

李商隱「夜雨に北に寄す」

君歸期(きき)を問ふに未だ期有らず、 巴山(はざん)の夜雨(やう)秋池(しうち)に漲る。 何(いつ)か當に共に西窓(せいさう)の燭を翦(き)って、 郤(かへ)って巴山の夜雨の時を話(かた)るべき。 (語釈) ◇北=北地の意であるが、巴山に対して、おそらく都の地を…

『伊勢物語』(第九段/東下り)

昔、男ありけり。その男、身をえうなきものに思ひなして、「京にはあらじ、東の方(かた)に住むべき国求めに。」とて行きけり。もとより友とする人、ひとりふたりして行きけり。道知れる人もなくて、惑ひ行きけり。三河の国、八橋(やつはし)といふ所に至りぬ…

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

否! 否! 断じて否だ!

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

急いではだめだ!…… むちゃをやっちゃ!…… 乱暴にしては!…… われわれはそれを恐れていた…… 無理押しをしては、すべてがだめになる! 予想をすべて覆すのは、あわてることだ!…… もっとも実りの多い計画とは、ごくゆっくりと熟す計画である!…… われわれは早…

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

だが、それにひきかえ、資本というやつは恐ろしく逃げ足が早い! 臆病だ! すごく内気でさえある!…… 人類のあらゆる不幸、とりわけ彼の不幸は常に資本の欠除からきている……動産への不信……恐ろしくまれな信用から!…… だが、そうしたことは全部解決可能だ!………

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

わたしはパンツをはきなおしていなかった……そうやって、糞の滝の真中に立っていた……

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

人々は不愉快な仕事を求めて、足早に部屋の中にはいっていく。もう眺めている人間なんかいない…… このわたしが思い出だ!…… そして腐敗した臭い……