2015-07-16から1日間の記事一覧

平木典子『カウンセリングの話』

共感的理解をするためには、よく聴き、よく看ることが大切である。相手について理解するのではなく、相手を理解するには、心からわかろうとすることが必要である。それは、きわめて積極的かつ能動的な態度であって、単に「黙って見ている」こととは異なる。…

平木典子『カウンセリングの話』

「共感性」というのは、(中略)英語ではエンパシィ(empathy)といい、類似語のシンパシィ(sympathy)と区別される。シンパシィは、「同感」とか「同情」と訳される言葉で、相手の心情や感情に取り込まれて同じ気持ちになることをいう。ところが、エンパシィは…

平木典子『カウンセリングの話』

こう考えてくると、カウンセラーはなんでもわかっている必要はないということも、理解できるであろう。むしろ、わかっている振りをしたりすることが、カウンセリングの中では最も障害になる。 従って、カウンセラーは、「この人のことを、ここまで、このよう…

平木典子『カウンセリングの話』

幸か不幸か、心理学という分野は戦争によって発達することが多い。国の命運を賭けて国同士が戦うには人間を有効に使わなければならない。そこで人間の研究が盛んになり、最も有効に人間を活用するために人間を測定するといった技術も発達するわけである。例…