2015-05-29から1日間の記事一覧

『荀子』(性悪)

夫れ人は性質の美有りて、心(こころ)辨知(べんち)すと雖も、必ず將に賢師を求めて之れに事(つか)へ、良友を擇(えら)びて之れを友とせんとす。今(いま)不善人(ふぜんにん)と處(を)れば、則ち聞く所の者は欺誣詐僞(ぎふさぎ)なり。見る所の者は汙漫淫邪貪利(を…

『伊勢物語』(第一段/初冠)

昔、男、初冠して、平城(なら)の京、春日の里にしるよしして、狩りにいにけり。その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり。この男、かいま見てけり。思ほえず、ふるさとに、いとはしたなくてありければ、心地惑ひにけり。男の、着たりける狩衣の裾を切…

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

人を犯罪に駆り立てるのは、アルコールよりもむしろ空想物語である……

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

わたしは嬉しがる権利しかなかった! 讃歌を歌う権利しか! わたしは幸運の星のもとに生れているのだ! そのわたしが不運だなんて! わたしは献身的な両親をもっている、それでたくさんだ。そう、両親はあらゆる苦悩、悲劇的な宿命に身をささげている…… わた…

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

わたしは、最後の努力を示すべき決定的な年齢に達していた……自分のチャンス、〈自分の運命〉をむりやりに試す…… 自己の生涯を方向づける二度とないときだった…… そいつはすばらしいことだ……すてきな……

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

言葉! 言葉! しゃべる? しゃべる? しゃべるってなにを?……

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

それに女ってやつは常に急いでいるってことを忘れちゃいけない。女ってやつはなんの上にでも生える…… 女はどんな汚いごみだっていいんだ…… 完全に花とおんなじだ…… 一番きれいなやつほど、一番臭いこやしが要るってわけだ! 花の季節は長くはつづきゃしない…

セリーヌ『なしくずしの死』(滝田文彦 訳)

わたしは引きずり込まれはしなかった…… くだらないおしゃべりなんてものはもう真平だった…… いろいろなことを思い出しただけで…… 家でのわいわい騒ぎ!…… 母のよまいごと!…… 言葉でさんざん人に言われる悪口! 糞っ! もうごめんだ! そんなものは山ほど知…